未怪談

未怪談 74 後輩の話

水回りの仕事をしているAさんの話です。

その日、Aさんは後輩を連れて水道管の修繕に行っていたそうです。

現場はマンションで二階と一階の間にある水道管が破れて水が一階のお部屋に落ちてきているとの事。

Aさんは一階から、後輩はニ階から作業することになりました。

作業が終わり事務所に帰っている時、神妙な面持ちで後輩が話し始めました。

作業をしていた部屋の家主は若い女性でだったそうです。

作業中、後輩が作業している最中、ずっと視線を感じたそうです。

最初は『家主かな?』と思ったそうですが、

後輩が作業する前に家主は『買い物に出かけますので』と言って出かけたことを思い出したそうです。

しばらく視線を感じながら作業していると、突然背後に気配を感じたそうです。

振り向くと同時にタッタッタッタッ、と子供の足音が聞こえました。

『子供がいるのか』と後輩は視線の正体がわかり安堵したそうです。

その後も視線や気配を感じていたのですが、

正体が子供だとわかったので怖さはなく作業が終わったら『かまってやるか』と思ったそうです。

しばらくすると家主も帰ってきて作業が終わり後輩は家の中を怪しまれない程度に見渡していると、

家主に「どうかしましたか?」と言われ、

「作業中、お子さんが見に来ていたもので」と言うと、

家主は怪訝そうに「うちに子供はいないですけど・・・」と。

後輩が感じた視線と気配は一体何だったのでしょうか・・・

未怪談 73 真っ暗の山の中で

Aさんが高校生の時の話です。

当時、オカルトブームで心〇写真などに賞金を懸けている番組が多かったそうです。

Aさんも番組に送るために写真を撮っていたそうですが、

そう簡単に撮れるはずもなく途方も暮れていた時にある噂を聞きました。

『学校の裏山にある廃神社では100%心〇写真が撮れる』

Aさんはその日の夜、友人と二人でその廃神社に行ったそうです。

山を舐めていたAさんたちは、真っ暗な山の中を携帯電話のライトを頼りに進んでいましたが、

当然そんな装備では目的地の廃神社につくわけがなく、

いつしか獣道に入り込み迷ってしまったそうです。

楽観的なAさんは

「ここも十分雰囲気あるから写真撮ろうぜ」

と友人に言い数枚撮ることにしました。

撮っていると

「すいません!」

と友人の声が。

Aさんが友人の方を見ると、そこには巫女のような恰好で杖をついたおばあさんが立っていました。

「こらこら、勝手に撮らないよ」

と友人に注意してきたそうです。

おばあさんは続けてAさんたちに

「早く帰りなさい。ここは危ないから」

と、Aさんたちはそのおばあさんに迷ってしまったと伝えると、

「あっちの方向を真っ直ぐ進めばいいよ」

と、草木がうっそうと生えている獣道を指したそうです

Aさんは『ここを真っ直ぐ?』と思いながら半信半疑で草木を掻き分けながら進んでいくと、

街の明かりが見えて山の麓についたそうです。

家に帰る道中、Aさんは友人と山で撮った写真を見返していると、

友人がパニックになりながら

「おばあさんが映ってない・・・」

友人の話では、写真を撮っている最中、

レンズ越しにおばあさんを見てしまい驚いてシャッターを切ったそうです。

Aさんは

「驚いたときに違う所を撮ったんじゃない?」

と友人に言いましたが首を横に振りながら友人は

「あのおばあさんって・・・幽霊じゃない?」と。

『何言ってんのこいつ?』とAさんが思っていると、友人が続けて

「だってさ!あのおばあさんさ、ライトもなしにどうしてあんな場所にいたの?

 しかも俺達でもきつかった山道を杖ついて・・・。絶対、幽霊だよ!」

どんどんパニックになってくる友人を冷静に落ち着かせていたAさんも段々怖くなったそうです。

あのおばあさんは一体、何だったのでしょうか・・・

未怪談 72 一番後ろのナニか

Aさんが大学生の時の話です。

とある授業で先生が授業前点呼を行っている最中でした。

「〇〇さん」

「はい」

「△△さん」

「はい」

といったかんじに1人ずつ確認しながら点呼をしていたそうです。

その後、先生の点呼が続き「Aさん」と呼ばれました。

名前が呼ばれたのでAさんは「はい」と言いました。

最後の人の名前が呼ばれた後、「あれ?」と名簿を見ながら先生が首をかしげました。

そして、「おーい。一番後ろの人、名前教えて」と言い出しました。

『あれ、後ろに誰かいたっけ?』とAさんは思ったそうです。

なぜならその時、Aさんは一番後ろの方に座っていたからです。

Aさんの後ろには席が確かにあったのですが、

Aさんが座った時にAさんより後ろに誰も座っていませんでした。

後から誰かが座ったということもありませんでした。

ですが、先生が後ろの方に言うのでAさんは後ろを振り向きました。

そこには誰もいませんでした。

それでも、先生は「おーい!名前は?」と。

Aさんは先生に恐る恐る「誰もいませんよ」と。

先生は「あっ!・・・そうか。やっぱり・・・」と

意味深なことを呟きながら何事もなかったように授業を始めたそうです。

一体、先生にはナニがみえていたのでしょうか・・・

未怪談 71 兄の友達?

Aさん(女性)が小学5年生の時の話です。

Aさんには3歳年上のお兄さんがいて、

放課後や休日はお兄さんとお兄さんの友達たちとよく遊んでもらっていたそうです。

ある日、休日だったそうです。

お兄さんは朝早くから出かけようとしていました。

Aさんもお兄さんについていこうとしたのですが、

「ごめん。今日はクラスの女子もいるから連れて行けない」と言われ出て行ったそうです。

その日のお昼ぐらいです。

Aさんはお昼ごはんを食べた後やることがなく暇で部屋でゴロゴロしていたら、

【ピンポーン】と家のチャイムが鳴りました。

『お母さんが出るだろう』と思い、またゴロゴロしていると、

【ピンポーン】とまたチャイムが鳴りました。

『あれ?お母さん出かけたのかな?』とAさんは急いで玄関に。

玄関を開けるとそこには女の子が立っていました。

『誰だろう?』と思っていると女の子が、

「〇〇君(お兄さんの名前)の友達の△△です」と。

Aさんは「お兄ちゃん、出かけているよ」と言うと女の子は

「困ったな。〇〇君(お兄さんの名前)と遊ぶ約束したのにな。君、一緒に遊んでくれる?」

やることがなく暇だったAさんは「いいよ」と。

女の子は「▢▢動物園に行こうか」と。

その動物園は家の近くにある公園にあり無料で開放されていて、

アライグマ、猿、鹿など比較的小さい動物を展示しているところでした。

Aさんはその女の子と出かけて行ったそうです。

Aさんは女の子と遊ぶのがとても楽しかったそうです。

記念だからということでAさんは動物園の売店でウサギのキーホルダーを

女の子から買ってもらったそうです。

夕方になりAさんは女の子に家まで送ってもらい玄関でバイバイと手を振り女の子と別れ、

その日の余韻に浸ってウキウキで家に入ったそうです。

お兄さんは帰ってきていたようでAさんが帰ってくるやすぐに「ごめんね」と謝りに来たそうです。

その後、お兄さんに「どこに行ってたの?」と聞かれ、

「お兄ちゃんの友達の△△ちゃんと▢▢動物園に行ったの」とAさんが嬉しそうに言うと、

お兄さんは眉をひそめ頭を搔きながらしばらく考え込みAさんに

「△△ちゃんって・・・。誰?」

Aさんは、今もその女の子に買ってもらったウサギのキーホルダーを大切に使っているそうです。

Aさんと遊んだあの女の子は一体ナニモノだったのでしょうか・・・

未怪談 70 いわくつきの店

よくテナントが入れ替わる店があると思います。

「あれ?この間、ここ花屋じゃなかったかな?」とか、

「違う名前のラーメン屋に変わってる」など。

お客が来てないなどの理由だと思います。

こういうことはよくあることですよね。

Aさんの近所にもよくテナントが入れ替わる店があるそうです。

Aさんが憶えている限りでは、【花屋】【総菜屋】【ラーメン屋】【パン屋】【カフェ】【喫茶店】

【ハンドメイドのお店】という変遷を辿っていたそうです。


しかし、状況が少し変わっておりどのお店も人気があるのに続かないとのこと。

ある時、ラーメン屋が入っていました。

昼夜行列ができるほどの人気があり二店舗目ができるほどでした。

ですが、二店舗目ができてすぐにそこを閉め移ったそうです。

また別の時、パン屋が入っていた時も同じような状況で、

そのパン屋はそのお店の近くに店舗を移したそうです。

Aさんはそのパン屋の店主と知り合いだったので理由を聞くと、

「あそこの店気持ちが悪い。作っている時にどこからか視線を感じる」とのこと。

カフェの店主と喫茶店の店主にAさんは『この店』のことを訊いてみると、

同様に「どこからか視線を感じ、気持ちが悪い」とのこと。

そのお店では特に『何かあった』という噂は聞いたことがないそうです。

そのお店で感じる視線の正体は一体何なのでしょうか・・・
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