2022年07月

未怪談 34 招く声

電気工事関係の仕事をしているAさんの話です。

その日、クーラーが壊れたとのことで古いマンションに訪問したそうです。

そのマンションは気味が悪かったそうです。

管理が行き届いていないのか、

照明があちらこちら切れていたり、チカチカ点滅していたり、

全体的に暗かったそうです。

それに掃除をしていないのか、

マンションのいたるところに蜘蛛の巣がはってあったり、

床には無数の虫の死骸やどこから入ったのか落ち葉が散乱していました。

Aさんはこんなところ早く終わらせようと思い、

依頼があった部屋のチャイムを鳴らしたそうですが反応がありません。

「約束の時間なのになぁ」とイライラしながら二回、三回チャイムを鳴らすと中から、

「どうぞ」とはっきりと玄関から男性の低い声が。

「〇〇会社です。クーラーを見に来ました」と言いながらAさんはその部屋に。

中に入りましたが玄関に人はいなかったそうで、

Aさんは「中に入ってもよろしいでしょうか?」と。

しかし、返事がありません。

奥の部屋からテレビの音が微かに聞こえてきました。

『聞こえていないのか?』と思い、もう一度大きな声で「中に入ってもよろしいでしょうか?」と。

反応がありません。

どうしたらいいかAさんは困っていると、玄関がガチャと開きました。

そこにはおばあさんが。

「あんたなんね!勝手に入るな!」とAさんに怒鳴ってきたそうです。

「ご主人がどうぞと言ったので」とAさんは説明するとおばあさんは、

「ふざけたことを言うな。私は一人だ」と。

「どうぞ」という声はテレビの音だったかもしれませんが奥から微かに聞こえる程度だったそうです。

一体誰がAさんに「どうぞ」と言ったのか・・・

未怪談 33 見え方の違い?

Aさんが高校生の時の話です。

その日、Aさんは部活で学校の周りを走っていたそうです。

ランニングが好きではなかったAさんは数人と話しながらグダグダと走っていたので、

先頭集団に追いつかれてしまったそうです。

「次の角にめちゃくちゃかわいい女の子が立ってるぞ」と、

先頭集団の一人がAさんたちを抜き去りながら言ったそうです。

思春期真っ只中のAさんたちは先頭集団についていったそうです。

次の角といっても距離が長く、Aさんたちは息を切らせながら角を曲がりました。

曲がると自動販売機の陰に隠れているように、髪が長く淡い青色の服を着た人が立っていました。

Aさんはチラッと横目で立っている人を見ました。

そこには、自分の母親と同じぐらいの年の女の人が。

しばらく進んで、「話が違う!」と言おうとした時、

「めっちゃかわいい」や「次声かけようかな」という声が。

『えっ。何言ってんの?』とAさんが思った時、

「おばあちゃんじゃないかよ」や「小学生じゃないか」という声が。

その場にいたみんなが「えっ!」となったそうです。

見え方が違ったそうです。

幼い少女に見えた人もいれば、可愛い女の子、おばさん、気味が悪いおばあちゃん。

どうやら、この4つのタイプに見えていたそうです。

少し気味が悪くなりましたが好奇心が勝り、戻って確認しようとなったそうです。

女の人が立っていた場所に戻りましたが、誰もいませんでした。

あの女の人は何だったのでしょうか・・・

未怪談 32 追ってくる

大型商業施設で働いているAさんの話です。

バックヤードにある従業員事務所に向かって歩いている時です。

古い建物でバックヤードはくねくねしていて迷路のようだったそうです。

歩いているとAさんの後ろの方で"カサカサ"と音がしたそうです。

振り向くと、そこには黒色の大きめのビニール袋が。

気にせずにそのまま歩き、角を曲がった時です。

"カサカサ、カサカサ"

「えっ!」と思い、

後ろをチラッと見るとそこには、あのビニール袋が

気味が悪くなり小走りで事務所に向かったそうです。

長い距離歩いたそうですが、"カサカサ、カサカサ"と後ろで音が。

まるでAさんの後ろをついてきているようでした。

事務所に入る前にチラッと後ろを見ると、

そこには何もなかったそうです。

安心して事務所に入り、事務所内にいる同僚たちにこの話をしたそうです。

すると一人の同僚が

「あれのことですか?」と、事務所からバックヤードが見える窓を指さしました。

Aさんはその窓を見ると、

あのビニール袋が下から風にあおられているように空中をプカプカと浮かんでいました。

同じ場所を浮かんでいて、まるで事務所内を覗いているかのように。

「幽霊の仕業だ」とか、「バックヤードを開けた時に店内から入ってきた風のせいだ」とか、

事務所内は騒然となったそうです。

その後、そのことを何も知らない店長に頼み、そのビニール袋を捨ててもらったそうです。

これ以来、同じことは起きていないようです。

あれは一体、何だったのでしょうか・・・

未怪談 31 見えないリーダーの子

Aさんが小学生の時の話です。

Aさんは仲のいい12,3人のグループでよく遊んでいたそうです。

そのグループはリーダー格の子がおらず優柔不断な性格の子や引っ込み思案の子が多かったそうです。

なので、いつも即決することができず、

「今日は野球をするのか?それともサッカーをするのか?みんな何がしたい?」と。

みんな「うーん」と考え、

ワンクッションおいて、各々「どうしようか?」と。

こんな調子なので、遊ぶ時間が少なくなってしまっていたそうです。

ですが、いつからか、

みんながいつものように「うーん」と考えていると、

「今日は人数多いから野球」とか「雨降りそうだから体育館でバスケしようぜ」などと、

誰かが意見を言うようになったそうです。

当然、優柔不断なみんなはその意見を聞き、

「そうしよう」や「賛成」と言って遊んでいました。

ある日、いつものように何をするか相談していると、

「今日は野球しようぜ」と声が。

Aさんはふと誰がいつも意見出しているのだろうと思い、

「今誰が言った?」と、みんなに聞きました。

その日、12人いたそうですが、12人みんな違うとのこと。

なんだか気味が悪くなり、その日はそのまま逃げるように解散したそうです。

その日以来、その声が聞こえることがなく、

また何をするか決められなくなってしまったそうです。

今となっては誰が言っていたのかわからなくなりましたが、

ひょっとすると普段意見を言わない子が頑張って意見を言っていたのかもしれません。

そうでなければ、もしかすると・・・

未怪談 30 誰が呼んでいるの?

Aさんが高校生の時に体験した話です。

Aさんは父親、母親、妹と一緒に一軒家に住んでいました。

その日の夕方、Aさんは2階にある自分の部屋でゲームをしていました。

「A君!」と、1階から声が。

誰の声かはわからなかったそうですが、両親のどっちかの声のように聞こえたそうです。

ゲームをしながらAさんは「何!」と返事をしたそうです。

すると、また「A君!」と声が。

母親?のような声だったそうです。

ゲームで手が離せないAさんはイライラしながら「だから、何!」と叫びました。

それでも「A君!」と声が。

今度は父親?のような声が。

しばらく、そのやりとりが続いたそうです。

あまりのしつこさに我慢の限界がきたAさんはゲームをやめ、

自分の部屋を出て「だから、何なんだよ!」と1階に怒鳴ったそうです。

その瞬間、隣の部屋にいた妹が「うるさい!」と出てきました。

妹はAさんに「さっきから一人で何やってんの!」と。

Aさんは1階から両親がしつこく呼んでくると伝えると、

妹は困惑しながら「そんなはずないでしょ。二人は朝からおばあちゃん家に行ったんだから」と。

そしたら、一体誰が1階からAさんを呼んでいたのでしょうか・・・
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