会社帰りのAさんの話です。

その日、Aさんはいつものように会社から家に帰っていたそうです。

帰り道には昔から空き家になっている場所があるのですが、

その空き家の前で男の子(十代後半くらい)がいたそうです。

男の子は髪の色が赤色で色付き眼鏡とガラが悪い感じでした。

Aさんが学生の時からその場所は空き家だったので、

『近所の悪ガキがたまり場になっているのかな』とAさんは思っていたそうです。

しかし、男の子は空き家には入らずその空き家の門の前で独り言?を言っているようでした。

Aさんがその男の子の真横を通った時です。

その男の子は「ハハッ!それは大変でしたね」といった感じで誰かとしゃべっているようでした。

Aさんは『空き家の中に誰かいるのかな?』と思い、

チラッと空き家の方を見ましたがそこには誰もいませんでした。

『もしかしてハンディキャップがある人なのかな』とAさんは思い帰ったそうです。

次の日、Aさんがいつものように帰っていると、

またあの男の子が空き家の前で「この間、〇〇君にもあったよ」と。

Aさんは『そういう子だ』と思いあまりジロジロ見ずにそっとしておこうと思った時です。

「大丈夫ですか?」とスーツ姿のサラリーマンが男の子に声をかけたそうです。

男の子はポカンとしていましたが、

サラリーマンは「いや、心配になってですね」と。

男の子は「ハァ?えっ、何?」とキレ気味に言いました。

「私にはあなたが一人で話しているように見えるのですが、あなたは誰と話しているのですか?」

とサラリーマンが言うと男の子は困惑したように何もない所とサラリーマンを交互見たそうです。

「いや。えっ。うんん?大丈夫です!」と男の子が突然その場から走りだしたそうです。

当時、Aさんはやっぱりそういうハンディキャップがある人と思ったそうですが、

よくよく思うとあの男の子は『見えていたのでは?』と。

そうであるのならば、あの男の子は一体何としゃべっていたのでしょうか・・・