今から30年ほど前のAさんの話です。

高校生だったAさんは夏休みに部活の合宿でとある旅館に泊まったそうです。

合宿での練習は初日で家に逃げ帰りたいほどハードでした。

実際に二人ほど倒れて病院送りにさせられていたそうです。

Aさんはそんな合宿でも唯一楽しみだった時間があったそうです。

それは風呂の時間でした。

その旅館は露天風呂でAさんにとって初めての露天風呂だったそうです。

ある日、Aさんはいつものように露天風呂に入っていました。

夜風にあたり気持ちよくなったAさんは、

練習の疲れもあって風呂に浸かりながら寝てしまったそうです。

しばらくして起きると風呂場には誰もいなかったそうで、

Aさんは慌てて脱衣所に向かったそうです。

体を拭いていると、ふと足元に視線を落としたそうです。

Aさんの両足の前に濡れた足跡があったそうです。

『あれ?』と違和感が。

足跡が他の部員にくらべて異常に小さいのです。

『えっ!?』と思ったそうです。

なぜならその旅館は貸し切りでAさんたち以外お客さんがいなかったからです。

気味が悪くなったAさんは自分の周りを見回しました。

そこには床一面に大小さまざまの足跡がびっしりと。

『脱衣所に入った時・・・なかった!』

異様な光景に恐怖したAさんは半狂乱になりながら脱衣所を後に。

ほぼ全裸の状態でみんなのいる部屋に。

部屋に入るやAさんの姿を見てみんなが爆笑したそうです。

Aさんは今先起こったことをみんなに説明しましたが、

「のぼせただけだろ」とか、

「そりゃみんなが使ってるんだからそうなるだろ」や、

「気のせいだ」と言われ、

みんなからバカにされたそうです。

本当に気のせいだったのか今となってはわかりませんが、

もしかしたら・・・