Aさんが高校生の時の話です。

その日、Aさんは部活で学校の周りを走っていたそうです。

ランニングが好きではなかったAさんは数人と話しながらグダグダと走っていたので、

先頭集団に追いつかれてしまったそうです。

「次の角にめちゃくちゃかわいい女の子が立ってるぞ」と、

先頭集団の一人がAさんたちを抜き去りながら言ったそうです。

思春期真っ只中のAさんたちは先頭集団についていったそうです。

次の角といっても距離が長く、Aさんたちは息を切らせながら角を曲がりました。

曲がると自動販売機の陰に隠れているように、髪が長く淡い青色の服を着た人が立っていました。

Aさんはチラッと横目で立っている人を見ました。

そこには、自分の母親と同じぐらいの年の女の人が。

しばらく進んで、「話が違う!」と言おうとした時、

「めっちゃかわいい」や「次声かけようかな」という声が。

『えっ。何言ってんの?』とAさんが思った時、

「おばあちゃんじゃないかよ」や「小学生じゃないか」という声が。

その場にいたみんなが「えっ!」となったそうです。

見え方が違ったそうです。

幼い少女に見えた人もいれば、可愛い女の子、おばさん、気味が悪いおばあちゃん。

どうやら、この4つのタイプに見えていたそうです。

少し気味が悪くなりましたが好奇心が勝り、戻って確認しようとなったそうです。

女の人が立っていた場所に戻りましたが、誰もいませんでした。

あの女の人は何だったのでしょうか・・・