Aさんが昔勤めていた会社で起こった不思議な話です。

その日、Aさんは仕事が終わらず夜遅くまで残っていたそうです。

時間が経つにつれ上司や同僚が一人また一人、

「お疲れさまでした」や「お先に」と帰宅していきました。

終わらない仕事に嫌気がさしていたAさんは、

気分転換に1階の自動販売機に飲み物を買いに行ったそうです。

一服し、エレベーターに乗り、事務所がある6階を押しました。

扉が閉まり、エレベーターが動きかけた時です。

ガタンとエレベーターが止まり、

「その階は行きません」

とエレベーターのアナウンスが。

Aさんは「えっ!」と思い、もう一度押したそうですが、

同じようにエレベーターが動きかけたと同時に止まり

「その階は行きません」

と同様にアナウンスが。

故障と思ったAさんは警備室にエレベーターが故障したことを伝え、

階段で戻ったそうです。

階段で6階まで上がると身体的そして精神的にも気持ちが折れてしまい、

Aさんは「今日はもう帰ろう」となったそうです。

1階に降りるとエレベーター会社が来ていました。

Aさんは警備員に頼まれて、エレベーター会社の方に故障の内容を伝えました。

エレベーター会社の人は、

「音声アナウンスも故障ですね。普通なら『その階には止まりません』って言うはずですからね」と。

Aさんは「その階は行きません」と何度も聞いたので不思議に思ったそうです。

当時は、単なるエレベーターの故障と思っていたそうです。

だけど、改めてAさんはあの時の事を思い出すと、

何だかエレベーターが6階に行きたくないので駄々をこねているように思えたそうです。