Aさんが高校生の時の話です。

Aさんは湯船に浸かってスマホで動画を見ていたそうです。

動画を見ている最中、微かにですが何かの音が聞こえてきました。

《コツコツコツ》という音が、脱衣所の方からしていたそうです。

Aさんが脱衣所の方を見ると、

すりガラス越しに小さい影がお風呂のドアを何度も叩いているのが見えました。

Aさんが飼っている猫でした。

一心不乱にお風呂のドアを叩いている光景がかわいいと思い、

スマホのカメラで撮影を開始しようとした時あることに気がつきました。

猫の影の後ろに別の大きな影がありました。

その影は人が四つん這いになっているように見えました。

Aさんは慌ててスマホで『脱衣所に人がいる』と家族に助けを求めました。

「大丈夫!」と言いながら、Aさんの母親が脱衣所に来ました。

Aさんは恐る恐るお風呂のドアを開けるとそこに、

猫と包丁を持った母親がいました。

Aさんは母親に今起こったことを伝えると、

「見間違えたんじゃない。実際、私が来た時誰もいなかったよ」と。

見間違えかもしれなかったそうですが、

Aさん的にはあれは幽霊だったと確信しているそうです。