【隣から聞こえてくるお経】

 

Aさんが、帰省した時の話です。

 

久しぶりに帰省すると、Aさん家の隣の家が無くなっていました。

 

両親にそのことを言うと「やっとよ」と。

 

Aさんは「どういうこと」と両親に尋ねました。

 

「あそこの家、10年くらい前から空き家だったの」と。

 

Aさんは、困惑しました。

 

なぜなら、物心ついたときから(小学校低学年ぐらい?)

 

隣の家から毎日22時にお経が聞こえていました。

 

毎日の事だったので、怖いとか、不気味というわけではなく、

 

「今日も聞こえるなぁ」程度だったそうです。

 

お経は、高校を卒業するまで聞こえていました。

 

そのことを両親に言うと、

 

「あんたが小学生の時だったかな。確かに隣からお経が聞こえていた」と。

 

続けて両親から

 

「小さい頃から聞こえていたから、聞こえてくるって意識的に習慣づいていたんじゃないの」

 

と言われました。

 

はっきりと聞こえるというよりも、「聞こえるなぁ」程度だったので、

 

両親の言う通りかもと、自分の中でそう結論付けました。

 

だけど、もしそうでなければ、

 

毎日一体誰がお経を唱えていたのでしょう。