【トランシーバー】



夜間の通行止めの仕事をしていた時の話です。


その日は、台風で有料道路を封鎖しなければなりませんでした。


車が入らないように規制を組んだ後、雨や風がやむまで規制車の中で待機していました。


突然、トランシーバーに「ガーー」と音が途切れ途切れに通信が入りました。


混線はよくあることなので放置していましたが、ガーーーという音が鳴りやまず、


先輩が「チャンネル変えるか」と、トランシーバーに手を触れようとした時。


「カエルナ」


と男の低い声でトランシーバーから聞こえてきました。

混線でたまたまそう聞こえたかもしれないですが、心臓に悪い出来事でした。