未怪談 37 乗ってきたのは6人、降りたのは・・・

Aさんが市で運営している科学館で働いていた時の話です。

夏休みになるとAさんが働いている科学館では、

テレビに出ているような有名な科学者を招いて実験ショーや、

芸能人と一緒に自由研究をするといったイベントを、

毎日のように行っていたそうです。

その日はプラネタリウムで当時やっていた戦隊モノとのコラボで天体観測ショーがあり、

子どもをつれた家族が多かったそうです。

あまりにも人気で長い行列ができてしまい、

Aさんはその天体観測ショーの誘導係の手伝いに向かっていた時です。

プラネタリウムはその科学館の屋上にあり、エレベーターに乗って向かっていました。

途中、母親と小学生くらいの【 5人 】の子供たちが乗ってきました。

Aさんは子供たちを見て『気合入っているなぁ』と思いました。

なぜかというと乗ってきた5人の服の色が赤、青、黄、緑、桃と戦隊モノの色だったからです。

Aさんはエレベーターの一番前にあるボタンの近くに立っていました。

Aさんの後ろの方には、母親と緑色の子と青色の子、桃色の子、黄色の子が。

そしてAさんの真横には赤色の子がいたそうです。

そのエレベーターは横長のエレベーターの構造になっているので、

乗ってきた親子全員が十分後ろの方に乗ることができたそうです。

なのに赤色の子はAさんの真横に、

それもAさんを見たまま直立して動かないので、

少し気になったそうです。

屋上に着きAさんは”開”のボタンを押し、

「どうぞ」と、その親子に言いました。

母親と桃色の子が「ありがとうございます」と降りていきました。

隣にいる赤色の子はまだAさんを見ていました。

その時、「〇〇君早く来て」と先ほど降りた母親が。

その声を聞いたのか赤色の子がAさんに一礼して走っていきました。

Aさんはその時、『あれ?』と思ったそうです。

『残りの子たちは?』そう思い後ろを振り向くと、

そこには、誰もいませんでした。

Aさんは『確かに乗ってきたとき子どもは5人だったはず』、

『赤色の子に気がいってて気づかなかったのかな?』と混乱していると、

「Aさん助っ人で来てくれたの?」と同僚の声が。

Aさんは起こったことを同僚に言いましたが、

「変なこと言わないでよ」と相手にされなかったそうです。

あの3人の子どもは何だったのでしょうか・・・

未怪談 36 ポチが感じたモノ

Aさんが小学生の時の話です。

ポチ(仮名)という雑種の犬を飼っていたそうです。

Aさんは学校から帰るとポチを連れて散歩をするのが日課になっていました。

いつものようにポチを連れて散歩していると、

前を歩いていたポチが道の奥を見ながらその場からピクリとも動かなくなりました。

『どうしたのだろう?』とAさんは思い、

ポチの顔を覗き込むと、

ポチは歯を剥き出して威嚇しているように唸り始めました。

『何かいるのか』と思い、Aさんはポチが見ている方を見ましたが何もありません。

その道は昔ながらの民家が並んで立っている何の変哲もないただの道。

突然、ポチが一歩一歩ゆっくりと後ろの下がり始めました。

Aさんはポチの様子を見てただ事ではないと思い、

ポチを引っ張って急いで来た道を戻ったそうです。

次の日、その道の近くに来ましたが、

ポチは昨日のことを忘れているのかスタスタと普通に通っていました。

犬などの動物はナニかを感じやすいと聞きますが、

もしかすると、その日その道にナニかがいたのかもしれません・・・

未怪談 35 脱衣場の足跡

今から30年ほど前のAさんの話です。

高校生だったAさんは夏休みに部活の合宿でとある旅館に泊まったそうです。

合宿での練習は初日で家に逃げ帰りたいほどハードでした。

実際に二人ほど倒れて病院送りにさせられていたそうです。

Aさんはそんな合宿でも唯一楽しみだった時間があったそうです。

それは風呂の時間でした。

その旅館は露天風呂でAさんにとって初めての露天風呂だったそうです。

ある日、Aさんはいつものように露天風呂に入っていました。

夜風にあたり気持ちよくなったAさんは、

練習の疲れもあって風呂に浸かりながら寝てしまったそうです。

しばらくして起きると風呂場には誰もいなかったそうで、

Aさんは慌てて脱衣所に向かったそうです。

体を拭いていると、ふと足元に視線を落としたそうです。

Aさんの両足の前に濡れた足跡があったそうです。

『あれ?』と違和感が。

足跡が他の部員にくらべて異常に小さいのです。

『えっ!?』と思ったそうです。

なぜならその旅館は貸し切りでAさんたち以外お客さんがいなかったからです。

気味が悪くなったAさんは自分の周りを見回しました。

そこには床一面に大小さまざまの足跡がびっしりと。

『脱衣所に入った時・・・なかった!』

異様な光景に恐怖したAさんは半狂乱になりながら脱衣所を後に。

ほぼ全裸の状態でみんなのいる部屋に。

部屋に入るやAさんの姿を見てみんなが爆笑したそうです。

Aさんは今先起こったことをみんなに説明しましたが、

「のぼせただけだろ」とか、

「そりゃみんなが使ってるんだからそうなるだろ」や、

「気のせいだ」と言われ、

みんなからバカにされたそうです。

本当に気のせいだったのか今となってはわかりませんが、

もしかしたら・・・
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