未怪談 17 空白の1時間

Aさんが大学生の時に体験した話です。

その日は、サークルの飲み会でした。

Aさんは、お酒を飲まないので車で仲のいいBさんとCさんを送ることになりました。

助手席にBさんが座り、後部座席に飲み過ぎてダウンしているCさんが横になっていました。

Cさんはいびきをかいて寝ていたそうです。

時刻は深夜2時半。

近道のため、山道を通ることになりました。

運転中、眠らないようにAさんはBさんと話していたそうですが、

段々と話すことが無くなり車内が静まり返ったそうです。

眠気がピークの時でした。

横断歩道を見つけました。

Aさんはなぜかその横断歩道の前で止まったそうです。

「何やってんだよ」

と、笑いながらBさんがそう言った時、

「おい、大丈夫?」

後ろで寝ていたCさんが話しかけてきました。

「やっと起きたか」

とBさんがおちょくろうとしたが、Cさんが

「いや、止まって何してんだよ」

と。

Aさんが

「ごめんごめん。なんとなく」

Cさんが

「いや、1時間くらいこのままだぞ」

Aさんは意味が分からなかったそうですが、

時計を見ると時刻は4時。

辺りを見渡すと少し明るくなっていたそうです。

その後、Cさんから聞いた話だと

Cさんは一回起きてスマホで時間を確認したそうです。

時刻は深夜3時。

ふと窓から外を見るとポスターが貼ってある電柱が一本見えたそうです。

その時に車が信号で止まっていると思ったそうで、

二度寝したそうです。

そして、また起き窓の外を見るとポスターが貼ってある電柱が。

Cさんが前に座っている二人を見ると、

ニ人は目の前を凝視して動いていなかったそうです。

一時停止しているみたいだったと。

AさんとBさんからすると、横断歩道に止まってものの数分ほどの事。

しかし、実際は1時間経っている。

この時間のズレは一体何だったのでしょうか・・・

未怪談 16 すりガラス越しの影

Aさんが高校生の時の話です。

Aさんは湯船に浸かってスマホで動画を見ていたそうです。

動画を見ている最中、微かにですが何かの音が聞こえてきました。

《コツコツコツ》という音が、脱衣所の方からしていたそうです。

Aさんが脱衣所の方を見ると、

すりガラス越しに小さい影がお風呂のドアを何度も叩いているのが見えました。

Aさんが飼っている猫でした。

一心不乱にお風呂のドアを叩いている光景がかわいいと思い、

スマホのカメラで撮影を開始しようとした時あることに気がつきました。

猫の影の後ろに別の大きな影がありました。

その影は人が四つん這いになっているように見えました。

Aさんは慌ててスマホで『脱衣所に人がいる』と家族に助けを求めました。

「大丈夫!」と言いながら、Aさんの母親が脱衣所に来ました。

Aさんは恐る恐るお風呂のドアを開けるとそこに、

猫と包丁を持った母親がいました。

Aさんは母親に今起こったことを伝えると、

「見間違えたんじゃない。実際、私が来た時誰もいなかったよ」と。

見間違えかもしれなかったそうですが、

Aさん的にはあれは幽霊だったと確信しているそうです。

未怪談 15 錯覚かもしれないが・・・

Aさんが小学生の時の話です。

夏休みに祖父の家に帰省したそうです。

祖父の家の裏は山で、Aさんは帰省すると必ず山に入って遊んでいました。

その日、Aさんは夏休みの宿題でもある自由研究を兼ねて、

祖父と一緒に早朝に山でバードウォッチングに行きました。

双眼鏡で木の上にいる鳥を探していると違和感を感じました。

そして、それを認識してAさんはゾッとしたそうです。

それとは、木陰からこちらを覗いている青白い顔。


目が合った瞬間ニヤリと笑ったそうです。

Aさんは驚いて双眼鏡を投げ捨ててしまいました。

祖父が「どうした?」と尋ねたので、

起きたことを話すと「錯覚だろう。たまにそう見えてしまうもんな」と笑われてしまいました。

言いようもない恐怖を感じ祖父を説得してすぐに山から下りました。

それ以来、祖父の家の裏山には入らなくなりました。

あの顔は錯覚だったのか、それとも・・・

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