未怪談 16 すりガラス越しの影

Aさんが高校生の時の話です。

Aさんは湯船に浸かってスマホで動画を見ていたそうです。

動画を見ている最中、微かにですが何かの音が聞こえてきました。

《コツコツコツ》という音が、脱衣所の方からしていたそうです。

Aさんが脱衣所の方を見ると、

すりガラス越しに小さい影がお風呂のドアを何度も叩いているのが見えました。

Aさんが飼っている猫でした。

一心不乱にお風呂のドアを叩いている光景がかわいいと思い、

スマホのカメラで撮影を開始しようとした時あることに気がつきました。

猫の影の後ろに別の大きな影がありました。

その影は人が四つん這いになっているように見えました。

Aさんは慌ててスマホで『脱衣所に人がいる』と家族に助けを求めました。

「大丈夫!」と言いながら、Aさんの母親が脱衣所に来ました。

Aさんは恐る恐るお風呂のドアを開けるとそこに、

猫と包丁を持った母親がいました。

Aさんは母親に今起こったことを伝えると、

「見間違えたんじゃない。実際、私が来た時誰もいなかったよ」と。

見間違えかもしれなかったそうですが、

Aさん的にはあれは幽霊だったと確信しているそうです。

未怪談 15 錯覚かもしれないが・・・

Aさんが小学生の時の話です。

夏休みに祖父の家に帰省したそうです。

祖父の家の裏は山で、Aさんは帰省すると必ず山に入って遊んでいました。

その日、Aさんは夏休みの宿題でもある自由研究を兼ねて、

祖父と一緒に早朝に山でバードウォッチングに行きました。

双眼鏡で木の上にいる鳥を探していると違和感を感じました。

そして、それを認識してAさんはゾッとしたそうです。

それとは、木陰からこちらを覗いている青白い顔。


目が合った瞬間ニヤリと笑ったそうです。

Aさんは驚いて双眼鏡を投げ捨ててしまいました。

祖父が「どうした?」と尋ねたので、

起きたことを話すと「錯覚だろう。たまにそう見えてしまうもんな」と笑われてしまいました。

言いようもない恐怖を感じ祖父を説得してすぐに山から下りました。

それ以来、祖父の家の裏山には入らなくなりました。

あの顔は錯覚だったのか、それとも・・・

未怪談 14 「先生」と呼んだのは?

Aさんが中学生の時の話です。

 

帰りのホームルーム時でした。

 

先生が話している時、

 

「・・・先生・・・」

 

と声が。

 

先生は、

 

「誰だ」

 

と、問いかけましたが、誰も返事をしませんでした。

 

Aさんは『面倒なことになったなぁ』と、思ったそうです。

 

というのも、その先生はしつこい性格の人だったそうで、

 

突然犯人探しが始まってしまいました。

 

先生が一番前の席の子に訊くと

 

「後ろから」と。

 

後ろの席の子は、

 

「前から」と。

 

廊下側の子は、

 

「窓側から」と。

 

窓側の子は、

 

「廊下側から」と。

 

みんなバラバラ。

 

しかし、他の子から

 

「声は聞こえなかった」

 

と意見が。

 

クラスの中には「先生」と呼んだ声が聞こえなかった子もいたそうです。

 

クラス全体がザワザワし始めました。

 

Aさんは気味が悪くなったそうです。

 

16時くらいから始まったホームルームは18時くらいに終わりました。

 

予定があった子や部活生は文句を言っていました。

 

結局、誰が「先生」と言ったのかわかりませんでした。

 

一体、「先生」と呼んだのは誰だったのでしょうか・・・

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